トヨタのミニバンのなかで最もスポーツ性の高いウィッシュ。全幅が1.7m以下の「5ナンバーサイズ」に収めながら、売れ筋モデルの「ノア・ヴォクシー」よりも車高を低くして操縦安定性を高めているのが特徴です。
車名の由来は英語で「願い」を指す「WISH」から。モデル末期の上に近年のSUVブームによって販売台数が伸び悩んでいますが、モデルチェンジから8年経っても毎月1000台近く売れているのは根強い人気がある証拠です。そんなウィッシュの魅力を見ていきましょう。
初代ウィッシュはどんなクルマ?(2003年 - 2009年)
初代ウィッシュは2003年に発売されました。
プラットフォームはプレミオとアリオンをベースとし、ホイールベースを2,750mmに延長しています。スタイリング重視でスライドドアは採用せず、後席もヒンジドアになっています。
ウィッシュの役割はホンダのオデッセイとストリームが開拓した「走れるミニバン」というジャンルに参入することでした。
一般的にはストリームの対抗車種として開発されたと見られており、ストリームと車体寸法が全く同じ全長4,590mm×全幅1,695mm×全高1,590mmでデザインも良く似ていました。
ストリームよりもコストパフォーマンスに優れている上にイメージ戦略も上手くいき、あっという間にストリームのシェアを奪いました。(ストリームは2014年に生産終了しています)
発売から1年半ほどの期間は、CMソングには宇多田ヒカルのCOLORSを起用しています。
2代目ウィッシュ(2009年 - )
2009年にモデルチェンジして2代目となります。車体寸法は初代同様の4,590mm×1,695mm×1,590mmで5ナンバーサイズを維持しています。
「Smart Multi Player WISH(スマート マルチ プレイヤー ウィッシュ)」をテーマとしてスポーティー色を更に強くして快適性も高めています。
快適性を高めたインテリア
2.0Zグレードは3列6人乗りのシート構成、他のグレードは2列目に3人と3列目に2人という3列7人乗り構成です。3列目シートはクッション性が悪いので非常用と考えた方が良いでしょう。
フロントガラスにUVカットガラスが採用され、10スピーカーを配置した「WISH・パノラミックライブサウンドシステム」の他、挟み込み防止機能付の電動チルトやスライドムーンルーフなどが設定されています。
シートアレンジにより、大容量の荷室を確保できます。
- 3列目シート使用時:奥行き405mm×最大幅1,440mm×高さ885mm
- 3列目シート格納時:奥行き1,095~1,140mm×最大幅1,440mm×高さ885mm
- 2列目シート格納時:1,820~2,015mm×最大幅1,440mm×高さ885mm
運転のしやすさ
大きな三角窓、スリムなフロントピラーにより、右左折時の視界を確保しています。
快適なドライビングポジションをつくり出すために、チルト&テレスコピックステアリング、運転席シート上下アジャスター、10mm単位で細かく調整ができるシートスライドなどを採用しています。
最小回転半径5.2mで細い路地でもストレスない取り回しの良さを実現しています。
安全装備としては以下のものがが標準装備されています。
- S-VSC(横滑り防止装置)
- EBD(電子制動力配分制御)付ABS&ブレーキアシスト
- SRSエアバッグ(運転席・助手席)
- SRSサイドエアバッグ(運転席・助カーテンエアバッグ)
価格・燃費・経済性について
ウィッシュの価格は約190万円~260万円、JC08モード燃費は1.8Lモデルが16.0km/L(FF)と14.4km/L(4WD)、2.0Lモデルは14.4km/L(FF)です。
- 【2.0Z】
2WD:2,592,982円 - 【1.8S】
2WD:2,194,363円
4WD:2,385,257円 - 【1.8G】
2WD:2,297,455円
4WD:2,499,709円 - 【1.8X】
2WD:1,905,709円
4WD:2,108,057円
ミニバンの燃費としては決して悪くありませんが、エコカー減税は適用されません。
ウィッシュはこんな人にお勧め
ワゴンタイプのクルマが欲しいけれど「カローラフィールダーでは少し小さい」と感じる方にお勧めです。
1.8Lモデルであれば200万円台前半で購入できるリーズナブルさは魅力的ですし、3列目シートがあることで、普段は荷室として使うスペースが来客などのイベントで活躍してくれます。