スズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴは、どちらも全高が1700mmを超える軽トールワゴンの代表的車種であり、ともにスライドドアを備えています。
1993年に初代モデルが発売されたワゴンRにとって、1995年に登場したムーブは初めてのの競合車でした。今回はそんなワゴンRとムーヴという長年のライバル同士を比べます。
ワゴンRはこんなクルマ
軽自動車の弱点だった室内の狭さを、背を高くすることで克服した初めてのモデルです。発売当初のキャッチコピーは「クルマより楽しいクルマ、ワゴンR。長らく軽自動車市場のトップシェアを維持しているスズキの主力モデルです。
現行モデルは2012年に発売された5代目です。
ムーヴはこんなクルマ
ワゴンRに対抗して発売されたダイハツの看板車種です。ノーマルモデルの「ムーヴ」(MOVE )とスポーティモデルの「ムーヴ カスタム」(MOVE CUSTOM )の2通りのバリエーションを設定しています。
現行モデルは2014年に発売された6代目です。
バックドアは5代目までは一貫して横開き式を採用していましたが、6代目で一般的なハッチバックにある跳ね上げ式(縦開き式)を採用しました。
ワゴンRとムーブのスペック比較
ワゴンR | ムーヴ | |
全長 | 3395 | 3,395mm |
全幅 | 1475 | 1,475mm |
全高 | 1640mm 1660mm(スティングレー) |
1,630mm |
車両重量 | 780 - 870kg | 820 - 900kg |
最低地上高 | 150mm-155mm | 145mm-150mm |
室内長 | 2,165mm | 2,130mm |
室内幅 | 1,295mm | 1,350mm |
室内高 | 1,265mm | 1,280mm |
最小回転半径 | 4.4m | 4.4m |
ホイールベース | 2,425mm | 2,455mm |
JC08燃費 | 26.8km~33.0km/L | 25.2~31.0km/L |
どちらも全長と全幅は軽自動車の規格いっぱいで同じ値です。全高はワゴンRが5mm高く、ホイールベースはムーブが30mm長くなっていますが、ほぼ同じと考えて良いでしょう。
燃費はわずかにワゴンRがリード
JC08モード燃費で比較すると、最も燃費の良いグレードで2.0km/LワゴンRが優れています。
インテリアの違い
同じ価格帯だけあって内装や室内空間も同程度の品質です。肩回りや頭上に余裕があるため、大人でも足を組めるスペースがあります。個人的には、どちらかといえばムーブの上質な感じが好きです。
後列シートのスライドの違い
どちらも左右独立して後列シートの背もたれを倒して荷室を拡げることができます。背もたれを倒すと座面も連動して下がるため、荷室の床はフラットで使い勝手の良い形です。ただし、スライドに違いがあります。
ワゴンRの後列シートは左右が独立して前後にスライド可能ですが、ムーブは一体式です。後部座席にチャイルドシートを装着して片側だけを前方にスライドさせたり、3人乗車時に後部の荷室を片側だけ拡大することが可能となります。
また、ワゴンRは助手席下部に大きな収納を備えており、取っ手を持って車外に出すことができます。
バックドアの開き方の違い
バックドアの開き方に違いがあります。ワゴンRは一貫して縦開きですが、ムーヴは5代目まで横開きでした。
なお、2014年12月に発売された6代目のムーヴは縦開きとなっています。
縦開き(跳ね上げ式)のメリット・デメリット(ワゴンR)
- 車体の後方にある程度のスペースがなければ開けられない。
- 荷物の積み降ろし時に雨よけ・日よけになる
- 両手がふさがっていると閉められない
- 背が低い人は閉めにくい
横開きのメリット・デメリット(ムーヴ)
- 両手がふさがっていても体で閉められる
- 車体の後方にスペースがなくても開けられない
- 雨天時の荷物の積み降ろしで濡れやすい
おわりに
燃費性能やシートの実用性でワゴンRの方が若干優れています。
とはいえ、どちらも街乗りの実燃費は20km/L程度でるために、お財布への影響はそこまで変わらなさそうです。
実際に購入した方の意見を見ていても、決め手となったのは外観の好みが多いようです。
ワゴンRとムーヴ、あなたのオススメはどちらですか?