ウィングロードは、今となっては数少ない現行の5ナンバーステーションワゴンです。
ステーションワゴンというジャンル自体がファミリー向けミニバンの勢いに押されてしまい、今では国産の5ナンバーワゴンはカローラフィールダー・シャトル・ウィングロードくらいしかありません。
競合車種のカローラフィールダーやシャトルが、カローラやフィットといった乗用モデルをベースにしているのに対して、ウィングロードは「もともと商用車だった」という特徴があります。
ウィングロードはどんな車なのでしょうか?その魅力を解説します。
ウイングロードの生い立ち
ウイングロードはADワゴンという商用車をベースにして1996年に発売されました。初代の販売不振を改善すべく1999年に2代目(Y11型)が発売されるも販売不振が続きます。
2001年のマイナーチェンジでフロントデザインや内装意匠を大きく変更し、プリメーラ似のヘッドランプを採用したことで販売台数が大きく伸びたという経緯があります。
2005年に発売されたY12型はティーダをベースに開発されており、乗用車としては珍しく最後のフルモデルチェンジから12年以上経過している完成度の高い車両です。
警察の警邏用パトカーや自衛隊の業務車両として導入されています。
3代目ウィングロード(Y12型)について
ボディは先代に続いて全長4,415mm×全幅1695mm×全高1,495mmの5ナンバーサイズ。JC08燃費は14~17.2km/Lです。1.5Lエンジンのみに電動式4WDの設定があります。
3代目ウィングロードの見た目はADとほぼ一緒です。
AD(ボディカラー:エクセレントブルー)
ウィングロード(ボディカラー:キングフィッシャーブルー)
車に詳しくない人には「会社で使ってる車?」と聞かれるかもしれません。見た目は商用車そのものですが、機能面で商用車の長所が詰まっていることこそがウィングロードの魅力なのです。
最大の魅力は商用車ベースの『壊れにくさ』
商用車はとにかく沢山の荷物を載せるために『壊れないこと』を第一に考えて作られています。
商用車ベースのウィングロードも、荷物を沢山載せても壊れにくくパワフルに走れます。さらに小回りもよく効くので狭い交差点でも問題ありません。
乗用モデルですから、商用車にありがちな「ロードノイズがうるさい」「助手席のエアバッグがない」等のデメリットは解消されています。
荷室の使い勝手が抜群
荷室容量は後席使用時で最大412L、 最大幅約1320mm高さ約815mm長さ約1070mmの容量があります。後席を倒せば約1680mm、助手席まで倒せば約2655mmの奥行になるため、長尺物でも余裕で積載できます。
メーカーオプションの「ウォッシャブルラゲッジボード&イージーラゲッジベンチ」は使い勝手抜群です。
イージーラゲッジベンチ・・・ラゲッジルームに格納されている背もたれを引き上げると、2人掛けのベンチになります。バックドアが雨よけ雪よけになるので、雨のキャンプや釣り、写真撮影時などに大活躍します。
『リアシートを分割して倒せる』のはADにはない機能です。
ウィングロードはこんな人にお勧め!
荷物をたくさん積めるのでファミリーカーとして問題なく使えますし、都心ではどこの立体駐車場にも入れるというメリットがあります。
機能面では不満の少ない車ですが、不人気&中古価格が安いという特徴があります。
見た目の商用車っぽさや、CMなどのイメージ戦略でカローラフィールダーに負けていることもあり、ディーラーの営業マンも認める不人気車です。商用車として使うならADの方が安上がりですしね。
リセールバリューを考えると、新車で購入するのはあまりお勧めできません。
中古車に目を向けると、お買い得車が沢山あります。まだまだ走れる低走行車が乗り出し50万円台で出ています。
消耗品の交換も安く済むために維持費の心配も少ないですし、アウトドアや釣りなどの趣味に使うセカンドカーとしてはもちろん、免許取り立ての初心者の方にとてもお勧めできます。