トヨタ・FJクルーザーは超個性的な外観が目を引くSUVです。丸型ヘッドランプ、オーバルグリル、TOYOTAの文字ロゴ、白色の屋根など、1960年発売の『FJ40型ランドクルーザー』をモチーフにした外観となっています。
全車両が日野自動車羽村工場で生産されましたが、当初は国内販売されなかったために一般の自動車販売会社が逆輸入車として販売していました。
2006年に北米マーケット向けに販売開始され、世界的なヒットを記録したために2010年12月4日より日本国内でも正規販売販売されました。
現在の国産車にはなかなかない、ポップでありながらレトロデザインのFJクルーザーについて見ていきましょう。
FJクルーザーってどんな車?
基本スペックをざっくり見てみましょう。
全長×全幅×全高 | 4635×1905mm×1840 |
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室内長×室内幅×室内高 | 1,785×1,560×1,225mm |
ホイールベース | 2,690mm |
最小回転半径 | 6.2m |
車両重量 | 1,940kg |
JC08燃費 | 8.0km |
価格 | 324万円~346.6万円 |
文字通りのビッグサイズSUVです。全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm、最小回転半径6.2mなので狭い路地では苦労するかもしれません。燃費はJC08モードで8.0km、実燃費は5~7km/Lですから、日常使いではガソリン代が結構かかります。
駆動方式は6速MT車がフルタイム4WD、5速AT車がパートタイム4WDとなっており、2WD(後輪駆動)の設定も存在します。
2ドアルックスですが、リヤドアは90°開口が可能な観音ドアを採用しています。
本格的なオフローダーらしい走行性能
凹凸の路面環境への対応力が高いのも特徴です。地形への接地性能を高める十分なホイールストロークを確保し、乗り心地とともに操縦安定性も高い次元で両立しています。
走破アングルは、アプローチアングルが34度、ランプブレークオーバーアングルが28.5度、ディパーチャーアングルが27度、さらに最低地上高は230mmです。
なんとランドクルーザー200と同じかそれ以上に余裕のある数字となっています。
さらに、燃料タンクをフレームから出さないなど、アンダーボディにもオフロード対策を施しています。
充実した安全装備
FJクルーザーには以下の安全装備が搭載されています。
- 運転席・助手席SRSエアバッグ
- 前席SRSサイドエアバッグ
- 運転席・助手席アクティブヘッドレスト
- SRSカーテンシールドエアバッグ
- VSC(横滑り防止)
- TRC(トラクションコントロール)
- EBD(Electronic Brake-force Distribution)機能(車両状態に応じて各輪に適切な制動力配分を行う)
- バックソナー(音波センサーを用い、車両後方の障害物への接近をブザーで知らせ)
価格
グレード別の新車価格(税込み)は以下の通りです。
- ベースグレード(324.0万円)
- カラーパッケージ(334.3万円)
- ブラックパッケージ(345.6万円)
- オフロードパッケージ(346.6万円)
ランドクルーザープラドとの違い
FJクルーザーはランドクルーザープラドと共通の構成のラダーフレームを採用する本格的なオフローダーです。サスペンションやドライブトレインもプラドと同じで共通部品が多く採用されています。
ホイールベースはFJクルーザー独自の2,690mmが採用されています。プラドに2WDの設定がないのに対して、FJクルーザーは2WD(後輪駆動)の設定があります。
ボディサイズはFJクルーザーが全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm、ランドクルーザープラドは4760×1885×1835mmです。ランクルプラドとほぼ同様の大きさですが、全幅が20cmあるので街中では気を遣うかもしれません。
雑感
良くも悪くも完全なる趣味車です。『トヨタが作ったアメ車』という感じです。
数字には見えませんが、後部のデザイン+後部に取り付けられているスペアタイヤのために後方視界が非常に悪いです。
どのくらい悪いかというとプリウスよりも悪いです。オプションでバックカメラの装着を強く推奨します。
しかし、そんなデメリットを知った上でも実物を前にすると乗りたくなるのがFJクルーザーです。このような外観のクルマは他にありませんし、休日に遊びに行く乗り物としてはとても魅力的です。
FJクルーザーは本来の投入先である北米市場では2014年モデルを最後に販売を終了しており、国内では2016年で製造を終了して在庫分のみの販売となっています。迷っていると新車購入できなくなってしまいますから迷ったらゴーが良いでしょう。